EU Club Report

ロンドン、パリ、ミラノ、アムステルダムにフランクフルト。行ってきました欧州クラブ遠征ツアー。ハコにもよるが、思ったよりおとなしい印象を受けた。ロンドンの一部のクラブを除けば、あまり流行の音を追っかけてるって感じはしない。むしろ肩の力を抜いて一人一人が自由に楽しんでいる。悪く言えばダラダラ踊っている。(笑)この傾向は南の国へ行くほど顕著になってくる。みんな、カラオケ感覚で気軽にクラブへ通っているんだよね。年齢層も幅広くて、40歳はとうに過ぎたであろうと思われるおっさんが楽しそうにスイングしているのを見ると、ちょっと羨ましくなった。あと、何処へ行ってもゲイの人達はメチャクチャ明るかったなぁ。文化の違いを切実に感じました。いろいろと…。精神的にも収穫が多かった。欲をいえば、もうちょと喋れたらなぁと痛感。やっぱり地元の人とつっこんだコミニケーションをしようと思うと、どうしても問題になってくるのがコトバの壁である。つーか、せめて女の子を口説けるぐらいのボキャブラリーが欲しいッス。ただ一人黙々と踊っていてもつまんないしね。現地ではかなり悔しい思いもした。で、今更ながらスペイン語とイタリア語を勉強してます。まだ全然わからんけど…。



MINISTRY OF SOUNDS  − 103 Gunt St SE 1 London.

いわずと知れたロンドンで最も知名度が高いクラブ。資本力にモノをいわせ、矢継ぎ早に大物DJをフューチャーしたMIXCDをリリース。イビサをはじめ、ヨ−ロッパ各国で大規模なハウスパーティを主催。欧州クラブカルチャーのオピニオンリーダー的な役割を担っている。その影響力は絶大で、イギリスはおろか世界のダンスミュージックシーンのトレンドを左右するほどのもの。近年のプログレッシブハウスブームもこのクラブの後押しなくしてはありえなかったかもしれない。FRIDGEやWEGCLUBなどの魅力的なクラブが群雄割拠するロンドンにおいても、その人気は未だ衰えを知らず、依然、週末になると長蛇の行列が絶えることがない。客層も幅広く、クラブとして十分すぎるほどの機能を持ちつつ、落ち着いた大人の社交場といった雰囲気も兼ね備えている。場所は地下鉄Elephant&Castle駅から徒歩10分。赤レンガの目立たない建物の奥。午後11時頃から人が並び始める。最近は金土の週末のみの営業。2003年にリニュ−アルオープン。「80sRaveを通過した30代向けのクラブ」を標榜し、ガキどもは端から相手にしないといった高飛車な姿勢で他のクラブとの差別化を図っている。以前からMOSは年配のリピーターも多く、老舗らしい貫禄を誇っていたが、はたしてその挑発的な戦略が吉とでるか凶とでるか興味深い。クラブレポは↑の写真をクリック!

 

FUSE  − 208 rue Blaes straat 1000 Brussels.

ヨーロッパのダンスフリ−クのあいだで、FUSEの名前を知らない者はいないだろう。名実とともにブリッセルを代表するクラブ。今年に入ってDave ClarkeをレジデンツDJとして迎え、テクノ系のパーティをメインに、充実したイベントが相次ぐ。最近でもKevin yost、Dave angel、DJ Pierre、DJ Deep 等、毎回豪華なゲストDJの顔ぶれが並ぶ。週末の夜は常に満員御礼状態であることはいうまでもない。2階と3階にそれぞれ完全に独立したフロアがあり、ゲストDJは2階で回すことが多い。
アルコールは禁止ではないが、ここの人達は何故かUK産の精力滋養強壮ドリンク「レッドブル」を浴びるように飲んでいる。(あとでわかったのだが、どうやらスポンサ−らしい)女の子のファッションも派手で、典型的な欧州美女多し。この点ではロンドンのクラブを遥かに凌駕しているといっていいだろう。場所はブリッセル南駅から地下鉄で一つ目の駅、Portede Hal で下車。王宮方面を北へ徒歩10分。詳しいクラブレポは写真をクリック!

 

LE QUEEN  − 102 Ave. des Champs Elysees 8 Paris.

【フランス人ってのは以外に保守的な民族なんだ。ハウスやテクノって音楽も10年かかってようやく認められたよ。それでも、まだクラブシーンなんて存在していないに等しいんだ。】
かってローラン・ガルニエはメロディーメーカーのインタビューで自国の音楽事情について皮肉っぽく語っていた。なるほど、ヨーロッパ随一の観光都市でありながらロンドンやアムスに比べてパリには意外なほどクラブが少ない。レコ屋を覗いてもフライヤ−の数はごく僅か。カフェやショップに入っても、BGMにハウスがかかっていることはまずない。オペラハウスやジャズを演奏するスポットは驚くほど数多く存在するんだけどねぇ。ま、そんなところがパリっぽいといえなくもないが・…。
LeQueenはレックスクラブとともに数少ないパリのハウス大好き人間御用達のクラブ。地元ではゲイクラウドが集まる社交場としても有名だが、若い女の子もけっこう多い。場所はシャンゼリゼの一等地。地下鉄GEORGE V 下車。凱旋門に向かって3分程歩けば右側に大きく看板が出ている。水曜日のSecretなるパーティではレギュラーDJにDIMITRI FROM PARISを迎え、フレンチハウスならではのファンキーなプレイが楽しめる。ちなみにここはトイレが男女共同である。小生が立ちション(失礼!)している横をソフィー・マルソー似の美女がおもむろに通り過ぎたときはさすがに緊張した。隣で用を足していたダンサーの兄ちゃん(多分、ゲイの人)がオレのイチモツを見て呟く。「日本人って、やっぱり小さいのねぇ。」余計なお世話だっつーの!失礼しちゃう!(オカマ調) さらにLeQueenでは「サドとマゾ」、「革と鞭」という知るひとぞ知るSMショーがあるときいた。次回は日本代表として、是非出演を希望したい。

 

TAKE FIVE  − Annag 3a Wien. Tel 512-9277

世紀末芸術都市ウィ−ン。オペラの盛んなこの街でもナイトクラビングは楽しめる。現代クラシックの講義に疲れた音楽大学の学生がストレスを発散させに来るベー・アインスP1(ハードミニマルテクノ)、パフスブルク家の邸宅を改装したハイソな空間が売り物のフォルクスガルデン、英国産プログレッシブハウスがメインのクイーン・アン(ゲイクラブ)、ギャルソンやアニエス・bのファッションに身を包んだスカしたネーちゃんが集まるウィーフィーアU4などジャンルによって様様なクラブがある。中でも個人的に気に入っているのがここ「テイク・ファイブ」だ。場所はウィ−ンのメインストリート、ケルントナー通り沿い。聖シュテファン寺院から国立オペラ座へ抜ける中間地点に位置する。外装は貴族の館といった瀟洒な建物。この近辺はお洒落なカフェも多く、週末ともなると深夜まで人通りが絶えることがない。ウィ−ンは中欧という場所がらからか、トランス系のパーティが多いようだが、ここは基本的にガラ−ジハウスがメイン。中央にある大きなドアはダミ−で、脇にある小さなドアから入る。ビデオカメラが設置されており、服装や年齢を細かくチェック。ノックをしてドアが開かなかったらOUTという会員制のSMクラブを思わせる敷居の高さには笑ってしまう。いきなりウェルカムドリンクでワインサ−ビスというところがいかにもウィ−ンのクラブらしく、あたかも上流階級のスノッブなパ−ティに潜り込んだような錯覚に陥ることうけあいだ。客層は30代前半を中心としたアダルトな雰囲気。ガシガシと派手に踊るワタシなどは、正直かなり浮いた存在だったことを告白しておこう。

 

HEAVEN  − Under the Arches, Cravan St WC2 London. Tel 020-7930-2020

オトコのオトコによるオトコの為のハコ!それがここ「HEAVEN」だ!(爆)FRIDGEやSOUND SHAFTとともにロンドンのゲイ・カルチャーシーンを引率するクラブ。毎週月曜日に行われる「POPCORN」は世界で最もDQ生息率が高いパーティとして知られている。毎週金曜日の「WILD LIFE」も人気。ミニストリーよりもこっちの方が断然賑やかで、お洒落な人も多い。よりマッチョな野郎がお好みのあなたならFRIDGEの土曜日「LOVE MUSCLE」に行くべし。(笑)地下鉄CHARING CROSS駅から徒歩1分。ナショナルポートレートギャラリーからも近い。ロンドンのへそ、ピカデリーサーカスからも歩いて行ける。ヨーロッパではこういったゲイパーティ−は完全に市民権を得ているようで、アンダ−グラウンドな臭いは微塵も無い。リチャ−ド・ブランソン会長がオーナーで有名だが、近いうちに手放すという噂も流れている。

 

TRESOR  − Leipzigerstr 126a Bellin.

いまやベルリンの夏の風物詩として、なくてはならないイベントとなったラブパレード。ここが世界で最もテクノが盛んな都市であることに異論を唱えるものは少ないだろう。「ドイツはデトロイトの衛星都市だ」イノベータ−、デリック・メイ先生の台詞である。彼がここでいうドイツとはベルリンの街をイメージしているのだろうか。Tresorといえば、クラブよりむしろレーベルのほうが世界的に認知されているかもしれない。Cristian Vogel、Surgeon、Robert Hood、Joey Beltramなど錚々たるメンツを擁し、後世テクノ史に残るであろう良質な作品をコンスタントにリリースしていることでも知られる。もともとここは第二次世界大戦中にユダヤ人を収容するシェルターだった場所で、そのせいかハコ全体からデンジャラスな雰囲気をプンプン漂わせている。週末ともなれば、ドイツ中の硬派なテクノジャンキー達が、それこそ音に飢えた狼のように集まってくる。利己的な金儲け主義に走らず、黎明期からジャーマンテクノシーンの屋台骨をしっかりと支えてきたTRESOR。このようなクラブが存在するからこそ、現在のシーンの盛況があるのだと思う。壁崩壊から10年以上経った今、世界一大きな工事現場と呼ばれるほど急速な工業的発展を遂げつつあるベルリン。アンダーグラウンドダンスミュージック(この言い方はあまり好きではないのだが)の盛んな国際都市として、NYやロンドンと肩を並べる日もそう遠くないかもしれない。

 

BANK  − Vaci u. 20, H-1052 Budapest, Hungary

「ひとりでブダペストのナイト・クラブに行って地元の若者との出会いを求めてはいけない。大抵つまらない想いをするから…」そんな根も葉もない噂を信じていたワタシがアホだった。かっては郊外のプダ側にある「SONIC」がプダペストNO1のクラブとして知られていたが、今では廃れてしまったようだ。2003年の時点で東欧で最もクレイジ−な夜を過ごせるハコといったら、やはり「BANK」しかないだろう。観光局でフリーの小冊子がもらえるが、ここはもちろん掲載されていない。客は地元の若者のみで、英語も満足に通じないこともある。それだけに東洋人のゲストが珍しいようでフロアでは手荒い歓迎を受けたりした。そのテンションの高さはロンドンのMOSの比でなく、ハンガリ−人の人なつっこさに驚かされた。お立ち台の上に乗って踊りまくる人多数。まさかヨ−ロッパの片隅にこのようななクラブがあったとは!昼間の閑散とした市街がウソのようだ。どっから湧いて出てきたんだろう、この人達は…と思ってしまう。
ハコの作りは欧米のクラブによくあるタイプ。ハ−ドハウス、ヒップホップ、R&Bとジャンルによって3つの独立したスぺ−スに分かれていて、どこも溢れんばかりの人で埋まっている。
場所はブダペストの銀座通りと呼ばれるヴァーツィ通り沿い。ヴェレシュマルティ広場から南下し、ドナウ川にかかるエルジェーベト橋と交差する手前にある。物価の安いハンガリ−だけあって、週末でもエントランスチャ−ジが5ドルというのが嬉しい




MOOG  − Arc del Teatre 3 Barcelona.

スペインでクラビングといえばヨーロッパの新島「イビサ」が即座に思い浮かぶが、ここバルセロナにも忘れてはならないクラブがある。イギリスにおけるミニストリー、NYにおけるVINYLTOKYOにおけるイエローのような存在、スペインにおいて国際的に最もメジャーなハコが、ここ「MOOG」だ。スペインで海タレDJが回すとなると、ほとんどここだと思って間違いない。ロジャー・S、ダニー・ランプリング等のスタジアムクラスでプレイする連中もブッキングされるらしいが、それにしてはあまりにもハコの規模が小さいのが気になる。ケン・イシイ、タナカフミヤといったテクノ系の日本人DJも頻繁に招聘されるようで、ミ−ハ−路線ではなく、クオリティを優先したパ−ティ−が多いのもスペインでは珍しいといえるだろう。週末はセカンドホールがオープンし、70〜80年代の曲を中心にアットホームな盛り上がりをみせる。さすがフラメンコの国、みんな踊りが上手!かと思えば、決してそうでもないようだ。(笑)チャージは1ドリンク付きで1200pts(約1800円)。アクセスは地下鉄3号線Dressanes駅から徒歩3分。ガウディ設計のレイアール広場からも徒歩1分。なお、この付近は麻薬の売人やスリがたむろする物騒なところでもあるので、夜間出歩くのは控えたい。


☆ 随時、レポはUPしていく予定です。感想、質問、皆さんの行かれたクラブの情報もお待ちしています。